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僕は立ち止まった
「せっかく会ったんだし、少しお話しない?ここ300年程、ずっと一人だったからさぁ…淋しくて」
その天使は目をうるうるさせて言った
「ごめん、得体のしれない奴とは話すのは控えてるんだ」
僕はきっぱり断った
なんか僕かっこよくなった気がする
とか一人で思っていた
「うわ。最悪!鬼!悪魔!片目の化け物!」
―ふ
「化け物は君だろ?じゃあ。さよなら。」
僕はまた床の印に気をつけながら出口に向かう
「そうかなぁ??あたしより君の方がよっぽど化け物だと思うけど?」
僕は足を止めた
「そんな凄い力持っていながら、人間一人守れないなんて…。哀れ…アハハハ」
天使が高笑いする
頭に美咲が浮かんだ
僕はその天使にズンズンと歩みより、そのボロボロの布の胸倉を掴んだ
鎖が揺れてガチャガチャと音が部屋に響く
「…お前!」
ブゥン
僕は剣を創造した
「封印を解いてくれたらその美咲って人間、生き返らせてあげてもいいよ」
天使は剣を突き付けられているのに余裕だ
「そんな嘘、信じる訳ないだろ!」
僕の怒りは頂点だった
「君やサタナエルやガーラントにはできない事…。天使だもの。嘘はつかないよ。どうするの?あたしを殺して美咲って人間を2度見殺しにするの?」
青い目を細めて天使が言う
「く…。分かったよ。どうすればいい?」
美咲のためなら…
「簡単っ。あたしの鎖をその剣で切れば終わりっ。おっと、あたしは切らないでね」
僕は剣を構えた
「やぁ!」
その鎖が纏まっている中心を切った
ガラガラと鎖が落ちる音がする
「くっ…アハハハハハハ!自由!自由だ!いまいしいあのカスどもに報復してやる!」
―な…に?
「おい、約束はどうした!?」
僕は怒鳴った
「はぁ?出来るわけないでしょ?創造神じゃあるまいし。馬鹿じゃないの?」
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