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「サンドウ?それはなにかしら?」
ホントにわからない様な顔をしていた
「帰りたいんです。魔界か何か知りませんが、出る方法を教えてくれませんか?」
僕はとりあえず帰りたくて堪らなかった
変な犬に襲われるし、この人達おかしいし。
「魔界を出たいのなら、うちの門を出て左にまっすぐ行けば天界にでるわ。そうね…あなたなら200年ぐらい歩けば出られるわよ」
いい笑顔だ
―200年?ふざけないでくれ!それに天界?だいたい、80年ぐらいしか生きられないのに歩いて死にたくないよっ
「…」
僕は黙り込んでしまっていた
「信じられないのなら、門から出てみるといいわ。…あなたケルベロスの張った罠にかかったのでしょう?よくエサにならなかったわね。」
―ケルベロス?あの犬の事?訳がわからない
「早く…出るにはどうしたら…いいですか…」
泣きそうだった
「…私が出してあげてもいいわよ。でもね、魔界には親切なんてないの。代償は払って貰うわよ」
リリムは尖った口調で言った
それに僕は少し恐怖を感じた
「い、いくらですか?」
―もう有り金出してもいい!早く出たい!
「お金じゃないわ」
―じゃあ何なんだよ
「そうね…」
そう行ってリリムは僕をまじまじ見つめ始めた
―やめろよ…何だよ。早く帰らせろよ。
「目玉1つ」
リリムはビシッと指をさした
「へ?」
声が裏返ってしまった
―目玉!?馬鹿馬鹿しい!やっぱり頭おかしいこの人!
「目玉なんか無理ですよ!なんですか目玉って!ふざけないでください!」
怒鳴ってしまった
「うるさいわね。嫌ならいいわ。でもね、人間は自力ではここから出られないわ。精々考えなさい。」
―わけわからないっ!
「今日は泊まって行きなさい。人間は寝るのでしょう?少し考えるといいわ。レイア、案内してあげて」
そう言ってリリムはコーヒーを飲んだ
「畏まりました。こちらです」
放心状態の僕は言われるがままついて行った
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