【白い部屋】

7/15
前へ
/138ページ
次へ
このドアは、どうやら出口のドアではないようだ。 また、別の部屋がオレを出迎えた。 今度も、床も壁も天井も、全て真っ白だ。 しかし、さっきの部屋とは、全くといって良い程違った。 色がある。 確かに、白も1つの色だ。 だが、そうではない。今度は、茶色、黄緑色、赤色、黄色…。 色んな色がある。 そして、もっと詳しく言えば、色々な道具があるのだ。 オレが、さっきから着ている学生服の黒以外の色がある。 全てが真っ白に囲まれるのが、こんなに辛いとは思っていなかった。 あんな部屋に1日でも居たら、気が変になりそうだった。 まぁ、あんな部屋にずっと居る気なんて、さらさら無かったのだが。 『それにしても、何だろう?この道具は…?』 今、オレの目の前には、黄緑色をした、頭と同じ位の大きさのゴムボール。 茶色のしっかりしたロープ。 黄色で、キャップが赤いボンド。どうやら、よく見られる木工用のボンドだ。 そして、薄茶色の厚さ1ミリ程の木が、アルファベットの形に切られて作られた…子供のオモチャ?が、あった。 ……………。 『だから何だよ。』 思わず出た一言だった。
/138ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加