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彼は、アルファベットの〈J〉だけを集めると、他のアルファベットは全て横に投げ捨ててしまった。
そして、厚さ1ミリ程の木で出来た〈J〉の文字を、木工用ボンドでピッタリとズレが無いよう、慎重に貼り合わせていった。
少し時間を置き、手でグイッと剥がそうとしたが、カナリしっかりくっついていた。
そして、「うん」と頷いた後に、ロープの端を貼り合わせた〈J〉に結び付けた。
こうして、厚さ5センチ程の頼りある鉤爪の付いたロープが完成した。
しかし、不安な事があった。
このロープで壁を登ったとしても、向こう側がどうなっているのか…。
もし、壁から飛び降りて、地面が遥かに下にあるような事があれば、両足を骨折してしまう。
いや、この床の硬さは鉄の様に硬い。
骨折じゃ済まないかもしれない。
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