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すると、異変に気付く。
床が硬くない。
いや、硬いのだが、本来の床の上に、真っ白なフワフワした絨毯(じゅうたん)が敷かれている。
ボールが音も無く落ちたのも納得がいった。
しかし、それでも痛いものは痛い。こんな物では衝撃を吸収する事は出来なかった。
しかし、何故こんな所だけ絨毯が敷いているのか…。
オレがボールを使って、こちらの高さを探ろうとしたのを逆手に取った…?
もし、そうだとすると、とんでもない性格悪だ!!
頭の中で、そう思いつつも、それ以上に期待の念が働いていた。
今、オレの目の前には、今までの真っ白い空間ではなく、色の着いた床、壁、天井。
天井には、照明が照らされていた。
今までの広い部屋ではなく、幅2メートル程の通路の先には、木で出来た扉。
おれは、ゆっくり歩き、その扉に手をかけた。
そこには、もう真っ白な空間は無く。見慣れた部屋が広がっていた。
そう、オレの部屋だ。
戻って来たんだ。
そして、一番気になるのは、オレの目の前に、見知らぬ男が1人立っている事だった…。
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