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光一は、とにかく自分が死ぬと宣告された事を聞こうと思った。
『え…いや、ちょっと…ちょっと待って…』
しかし、どう聞けば良いのかが上手く出てこない。
時間制限がある訳でもないのだが、光一は焦っていた。
一度に全ての謎を解明したかったのだろう。
とりあえず光一は、こう質問した。
『あのさ、おれはさっき、目が覚めたら真っ白い部屋の中に居たんだ。アンタ、その事について何か知ってるか?』
もし、ここで男が「知らない」と言えば、この謎は恐らく、一生迷宮入りとなるだろう。
『あぁ、オレがあの部屋に移動させた』
男は、ほんの一瞬だけ間を置いて答えた。
『どうやって!?あの部屋は、オレの部屋と繋がってる以外に出入口は無かった!!しかも、あんな3メートルはある壁まで…』
オレは、思っていた事を次々に言いまくっていた。
『第一、何でそんな事をした!?それに、おれが殺されるって、どういう意味だ!!?』
もはや、この男が何者かなど、頭の中には無かった。
とにかく、今は自分の身の上の事で頭がいっぱいだった。
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