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『光一、おはよ』
声をかけて来たのは、同じクラスでオレの彼女の
【井上 法子】(いのうえ のりこ)。
『あぁ…おはよう…』
『どうしたの?元気無いわね』
『何でもないよ。少し、考え事してただけだよ』
『ふ~ん。光一が考え事なんて珍しいね。雨降らないかな?』
『お前なぁ、オレだって悩みの1つもあるよ』
確かに、自分でも分かる程に、いつもの自分ではなかった。
『私にも言えない事なの?』
『いやぁ…うん、今は自分の中で整理してる段階だからさ。整理出来たら言うよ』
『うん。分かった。約束ね?でも、無理しないでね?』
『ありがとうな』
法子は、本当に優しくしてくれる。どんな時でも、お互いがお互いの味方だ。
法子の顔を見て声を聞き、優しさに触れると、心がいくらか軽くなった。
しかし、こんな事、人に言えるだろうか?自分を殺しに自分がやって来る?
もしオレが聞いたら、信じる所か相手の頭が心配になるくらいだ。
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