【終わりの始まり】

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おれ達は2年A組だが、慎一だけ2年C組なので教室の前で別れた。 教室は、既にクラスメイトの半分は来ていた。 オレは自分の席に座り、さっきの事を考えだした。 昨夜の出来事は間違いない。本物だ。 今になり、頭がハッキリしている状態で思い出すと、曖昧な記憶ではない事が分かった。 しかし、話の途中で男が急に、そろそろ帰らなければいけないと言って、部屋のドアから例の真っ白な部屋へ帰って行ってしまった。 オレがドアを開けたら、普通の廊下だった訳で…。 信じられないが、それが現実なんだと、オレの脳の記憶は言っている。 そして左手…。体までもが現実なんだと言っている。 結局の所、白い部屋の事と、あの男の事は何も聞けなかった。 残された言葉は…この世界には居ない、もう1人のオレが、今ここに居るオレを殺しに来る。 しかも、近い内に…。 それだけを言われて、どうしろというんだ。
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