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気が付けば、クラスの生徒は既に全員来ていた。
ガヤガヤと騒がしくなった教室で、唯一自分の所だけ無音の空気が流れていた。
なぜか、1人だけ孤独な世界に引きずり込まれた感覚だった。
『ほらぁ!早く席に着け!』
先生が入って来た。
『皆…焦らずに、よく聞いてくれ。皆の友達の畠中佳祐君が、昨夜亡くなった』
突然すぎる言葉。
『えっ!?』
『嘘だろ!?』
『何で!?』
『嘘!!』
皆、様々に声を荒げる。
【畠中 佳祐】(はたなか けいすけ)
彼は同じクラスの友達で、よくテレビゲームの話で周りの友達と盛り上がっていた。
決して、自分から前へ出るような性格ではなかったが、とても良い奴だった。
昨日だって、最新作のゲームが出るからと、おれにも嬉しそうに話していたのに…。
『佳祐……』
思わず、涙が出そうになった。
その時、ポケットの中の携帯が鳴った。
クラス中が混乱して、先生に理由を問い掛ける奴。悲しみでうつむく奴。泣いている奴。佳祐の名前を叫んでいる奴。
だが、おれはなぜか携帯に入ってきたメールが、どうしても気になった。
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