【終わりの始まり】

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ポケットから、そっと出した携帯には、慎一の名前が出ている。 こんな時に、悠々と携帯を見ている気分ではなかったが、とりあえず携帯を開く。 [光一、悪いんだが、この後HRが終わったら話がある。教室の前で待ってる。] HR(ホームルーム)が終わってから? 1限目が始まるまでに、僅か5分しかない。 そんな短い時間で済む話なら、メールでしたらイイ。 そう思ったのだが、あの慎一の事だ。何かあったのだろう。 朝のHR(ホームルーム)が終わり、慎一の居るC組に行った。 『慎一』 『あぁ、光一。すまない』 慎一の表情がどこかおかしい。 『話って何だよ?』 『あぁ…お前のクラスの畠中って奴の事…聞いたか?』 オレは少し悲しい顔をしていた。 『あぁ…さっき先生から聞いた』 『そうか…それなら話は早いんだが…』 慎一は何か言いたそうだが、何かをためらっている。 『…その畠中って奴なんだが…どうやら、胸をナイフで何度も刺されて死んだらしい』 『!!』 事故か何かだと思っていたオレは、言葉を失った。
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