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『いや…俺のクラスでも、その話が少し流れてて…話を流した張本人が見たって言うからさ…』
慎一は、こんな話をするのが不謹慎だと思ったのだろうか。目線は下へ落ちていた。
『………光一?』
佳祐が…刃物で胸をメッタ刺しにされた…。
まさか…あいつは、オレもそうなってしまうと言っていたのか…?
光一の中で《死》の一文字が重くのし掛かってきた。
『おい、光一』
今朝から光一の頭の中には《死》という文字が嫌でもまとわり付いていた。
そこへ、佳祐の死が重なり、余計に光一を惑わせ始めていた。
少なくともプラス思考になれる要素は1つも無く。
ゆっくりと、そして確実に、悪魔の指先は光一の心臓へと近付いている予感がしていた。
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