【遭遇】

2/14
前へ
/138ページ
次へ
オレは、焦っていた。 1限目の授業も、何も頭に入って来ない。 ただ、ただ。佳祐の事と、自分の事を何故か結び付けてしまう事ばかりを考えてしまう。 …佳祐は、誰に殺された? オレは、ポケットから携帯を取出し、急いでメールを送った。 [なぁ、さっきの話だけど…佳祐が誰かに胸を刺されていたってのは、間違いないのかな?] 暫くして、携帯が振動した。慎一から返事だ。 [畠中って奴の事だろ?間違いないらしい。俺のクラスの女子で、そいつの家の近くに住んでる娘が言ってた。] この話が本当であるにしろ、もし人違いにしろ、佳祐が亡くなった事には変わりないのだが…。 それでも、どうしても見間違えであってくれと思っていた。 もしそうであるならば、何故か分からないが少し安心出来る気がしたのだ。 [でも、どうして畠中だと断言できたんだ?刺された本人を、後で確認でもしたのか?] 慎一が、そこまで詳しく聞いているかどうかは分からなかったが、今はとにかく全力で否定したかった。 また、慎一から返事が来た。 [いや、ウチの制服を着ていたみたいだからな。…光一、否定したい気持ちも分かるが…。]
/138ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加