13人が本棚に入れています
本棚に追加
オレは、焦っていた。
1限目の授業も、何も頭に入って来ない。
ただ、ただ。佳祐の事と、自分の事を何故か結び付けてしまう事ばかりを考えてしまう。
…佳祐は、誰に殺された?
オレは、ポケットから携帯を取出し、急いでメールを送った。
[なぁ、さっきの話だけど…佳祐が誰かに胸を刺されていたってのは、間違いないのかな?]
暫くして、携帯が振動した。慎一から返事だ。
[畠中って奴の事だろ?間違いないらしい。俺のクラスの女子で、そいつの家の近くに住んでる娘が言ってた。]
この話が本当であるにしろ、もし人違いにしろ、佳祐が亡くなった事には変わりないのだが…。
それでも、どうしても見間違えであってくれと思っていた。
もしそうであるならば、何故か分からないが少し安心出来る気がしたのだ。
[でも、どうして畠中だと断言できたんだ?刺された本人を、後で確認でもしたのか?]
慎一が、そこまで詳しく聞いているかどうかは分からなかったが、今はとにかく全力で否定したかった。
また、慎一から返事が来た。
[いや、ウチの制服を着ていたみたいだからな。…光一、否定したい気持ちも分かるが…。]
最初のコメントを投稿しよう!