13人が本棚に入れています
本棚に追加
佳祐が、誰かに刺されている姿を想像してしまう。
想像したくないと思えば思う程に、それは鮮明に頭で再現してしまっていた。
[慎一、すまないが、その娘のメアドを教えてくれないか?自分で確認したいんだ。]
[おい、無理を言うなよ。ただでさえ、その娘は昨日の学校の帰り道で、その光景を見てショックで今日は休んでるんだぞ。俺も、女子の友達から、その娘からこんなメールが来たって聞いただけなんだ。すまないが、これ以上は分からない。]
自分でも、無茶を言ってるのは分かっている。
だが、どうしたら良いのか分からない衝動に駆られ、今にも大声で走り出したい気分だった。
(くそ!何なんだ、この感じは!佳祐が亡くなった悲しみか!?さっきから、変な事ばかり考えてしまう。)
光一は気付いてはいなかったが、法子は3つ隣の席から、ずっと心配そうに光一を見ていた。
(奴の言った事なんて信用できるもんか!…けど、奴の問題も解決しなければいけないよな…。)
光一の心の中で出てくる『奴』とは、昨夜の男であった。
(…奴とは、もう一度会わなければならない。こっちから捜し出してやる!)
最初のコメントを投稿しよう!