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根元からハッキリ色抜けされた白髪。
綺麗に整ったインテリ顔に、それに合った眼鏡をしている。昨夜の男が。
『お前!!』
男は、口元で微笑した。
『さて。学校はこんな時間に終わるものなのかな?片山光一君』
何故か男は、偶然遭遇したにしては驚いた様子も無く、凛とした佇(たたず)まいだった。
『お前の、そういう所がイチイチ感に触るんだよ!』
光一は、待ってましたとばかりに自分が求めていた標的に、早速噛み付いた。
『フン。いきなりのご挨拶だな』
男は特に引く様子すら見せない。
『オレはお前に用があって、わざわざ学校を早退したんだからな』
『フン…今さら学校なんぞに行っても無駄だろうに。お前は、もうじき殺されるんだぞ?勉学が役に立つとは思えんがな』
光一は、殴り飛ばしたい気持ちを必死に押さえた。
『それだ!!テメェ!昨日の話の続きがまだ終わってないだろ!教えろ!何故、おれが殺されなきゃいけないのかを!!』
男はニヤリと口元で笑い、顔をクイッと上げ、鼻先でオレの後ろを指した。
そこには、何故か法子が心配そうな面持ちで立っていた。
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