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『とりあえず、オレの家で話そう。ついてこい』
男は、口元で微笑したまま黙って目を閉じた。それが承諾のサインだった。
『それってよ。オレ達も付いて行って良いのかな?』
曲がり角の陰から篤が出てきた。
『篤!?お前…何で…』
光一が驚くと、慎一まで角の陰から出てきた。
『おい篤。黙って尾行するんじゃなかったのか…』
話が違うぞといった表情で慎一が言った。
『お前ら……何でここに……?』
『光一、ごめん…私が悪いんだ』
抱いている光一の腕をほどいて法子が言った。
『私が、光一が教室を出ていった後に慎一と篤にメールしたの…
光一が早退して、様子がおかしいから私も早退するって…』
『………』
『…怒ってるよね…ごめんなさい…』
『いや…』
光一と法子の会話に、篤が割って入った。
『お前が悪いんだぜ。光一』
『えっ!?何でオレが…』
光一は、自分が周りに迷惑をかけまいと、自分で解決しようと思っていた。
だから、篤の言葉が理解出来なかった。
『法子は悪くない。元々オレも慎一も、朝からお前の様子がおかしい事くらい気付いてたっつーの』
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