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「はあーあ…」
うだるように暑い夏の真っ昼間。シャツが汗でベタついて気持ち悪いったらありゃしない。足取りは重く、自然とため息が出る。
なぜ俺は今テンションだだ下がりなのかというと、俺はある作家の担当になったのだ。
手元にあるハードカバーの本を見つめる。
『浅黄 洋(アサギ ヨウ)』。
一言でいうと、売れっ子作家。
大学在学時に世間でも有名な文学賞を受賞。独特の世界観とストーリーで、一気にファンを獲得した大先生。
当然俺は極度のプレッシャーを感じるわけで。
「帰りたい…」
逃げ腰のまま浅黄先生が住むマンションに向かうのだった。
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