ろくでなし人間と俺

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浅黄先生の部屋は綺麗に整理整頓されていて俺の部屋とは大違いだ。シンプルなインテリアで、部屋の真ん中には白い大きなソファーが置いてある。 浅黄先生はそのソファーに腰掛け、俺にはそのそばにある椅子に座るよう促した。 「で、何か用?」 「えと…週刊文芸に短編読み切り書いていただけませんか?」 「短編?」 「はい。うちの編集長が是非と」 「そう」 「あのー…引き受けてくださいますか?」 「いいっすよー」 そんなあっさりと。 何はともあれ書いてくれるなら有難い。 「咲田くーん」 「はいっ」 「じゃあさぁ、今日飲みに行かない?」 「今日ですか!?」 「親睦を深めようじゃないか!…あ、もしかして用事入ってる?」 「いえ!大丈夫ですよ」 ここは今後の付き合いのために行っておかないと。機嫌損ねたら書いてくれないっていう先生もいるし。  
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