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春菜
「ああああ秋ちゃん!?
違うの! 違うのっ!!!」
秋穂
「違うの!?
その胸は偽物なの!!!」
春菜
「本物だよ!!?」
秋穂
「ぐさっ…」
春菜
「違うの!!!」
悠哉
「………」
いったいなんなんでしょうこれ…。
俺はどうしたらいいんでしょう…。
秋穂
「おっぱい! おっぱい!」
春菜
「秋ちゃん違うの!!!」
悠哉
「………終わるまで待つか」
………
……
…
秋穂
「おっぱいなんて…おっぱいなんてただの飾りなんだから!!」
春菜
「おっぱいは違うの!!!」
悠哉
「いつまでやってんだよ!!?」
もう30分くらいたってるんじゃないのかこれ!?
「はる」
悠哉
「え…?」
春菜さんと秋穂ちゃんの声が響く中、俺の耳にかすかに入ってくる小さな声。
声がした方を見てみる。
悠哉
「あ…」
まず目に入ったのは、黒くて、大きくて、分厚い本。
その本を、女の子が抱きかかえている。
持っているんじゃないんだ。
両腕で、ぎゅっと抱きかかえているんだ。
視線を上にずらしてみると、小さな顔が目に入ってくる。
透き通ったような瞳に、癖っ毛なのか、毛先がはねた長い髪。
身長は秋穂ちゃんより全然低い。
俺と目が合っても、なんの表情の変化も見せないその女の子に、俺は魅入っていた。
なんだろう…この胸騒ぎ。
もしかして…こ、これが……恋…?
悠哉
「いやいやいや」
そんな甘いものじゃない。
確かな証拠もないけど、なぜだろう。
俺は、この子を放っておけないような、変な気持に襲われる。
俺ってロリコン……なのかなぁ…。
春菜
「冬ちゃん? どうしたの?」
冬ちゃん
「慶治がいない」
父親であろう人物を呼び捨てにする少女。
春菜
「え? お父さんならあっちの部屋にいると思うけど…ちょっと待ってってね。
今呼んでくるね」
冬ちゃん
「うん…」
悠哉
「あ、秋穂ちゃん!」
秋穂
「んー?」
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