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『ダダダダダダ、パーン、ダダダダッ、ザザ…ザザー、おいジョン! 待つんだ! ジョンソン!!
パーン、ダダダダダダダッ、ドカーン、…ジョン……? ザザー…ジョーーーーーーーーーン!!!!…ザザッザー』
悠哉
「え? え? え?」
なんだこの音。
銃声? 戦場? ここは戦場なのか?
春菜
「秋ちゃんケータイ鳴ってるよ」
秋穂
「うん。わかってる。
どこに置いたんだっけな…」
『ジョーーーーーーン!!』
秋穂
「あ、かばんの中だ」
悠哉
「………」
世の中には、いろんな着信音があるんだね。
なんか、ここでつっこんだらすごく負けな気がするのはなぜだろうか…。
秋穂
「はいもしもーし。…おー!
どうしたの? え、今から?
えー…ぼく今日は用事があるって言ったじゃん……うー…わかった。
今回だけだからね。…はいはい。
ういーす」
春菜
「お友達?」
秋穂
「うん。コツを教えてほしいんだって」
春菜
「そっか…。じゃあ学校戻るの?」
秋穂
「うん、行かなきゃ」
春菜
「気をつけてね。あんまり遅くなっちゃだめだよ」
秋穂
「わかってるよ。ぼくが夜遊びするような子に見える?」
春菜
「そ、そういうんじゃないけど…。
わ、わたしは秋ちゃんが心配だから」
秋穂
「ありがとね」
春菜
「……うんっ」
悠哉
「………」
こういう仲のいい姉妹って、見ててすごく微笑ましいものがあるよな…。
兄弟のいない俺にとっては、すごく羨ましいことで、そして憧れでもある。
秋穂
「と、いうわけで、ぼくは学校に戻らなければならなくなりました」
悠哉
「うん。気をつけてね」
秋穂
「部屋の案内は春ねぇにしてもらってね」
悠哉
「あ、うん。任せろ!」
秋穂
「春ねぇも部屋の案内くらいならできると思うし」
春菜
「あ、秋ちゃん!!」
秋穂
「あははっ、じゃ、いってきまーす」
春菜
「あ……もう…」
悠哉
「あはは…元気な娘だね」
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