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智美
「あ…あの、よろしく…ね?」
女の子1
「………」
女の子2
「………」
女の子3
「………」
慶治
「どうしたほら、挨拶しろ」
女の子1
「あ、よ、よろしくお願いします」
女の子2
「ちょっと春ちんなに真面目に挨拶しちゃってんの!?」
春ちん
「え? だ、だって」
女の子2
「理解できたのこの状況。
あたしはこの人が女の人だって理解できたよ」
女の子3
「そんなこと誰だってできるよ。
それよりどうして誰もあの『きゃっほーう!』っていう声につっこまないの」
女の子2
「いやそれはのちのち触れようかと思ってたんだけど…なんか怖いし」
春ちん
「きっとなにか嬉しいことがあったんじゃないのかな? ほら、秋ちゃんだって嬉しい時、あんな風に…」
秋ちゃん
「出したことないよ」
女の子2
「とりあえずあの声の持ち主が、この女の人じゃないことは理解できた」
秋ちゃん
「だから誰でもできるってそんなこと」
女の子2
「あ! ねえ、メロンパンて知ってる?」
秋ちゃん
「え!? 今の会話終了!?
そしていきなりぼくを馬鹿にしてるの?
それとも夏ねぇが馬鹿なの?」
夏ねぇ
「駅前のパン屋!
そこの新メニューのメロンパンがすごく美味しかったんだよ」
秋ちゃん
「そう。よかったね。
今度ぼくの分も買ってきてよ」
夏ねぇ
「うい! お姉ちゃんに任せなさい」
秋ちゃん
「こういうときだけお姉ちゃんぶられてもなぁ…」
智美
「あ…あのぉ…」
春ちん
「ふ、二人とも!
今はお客さんの前だよ!」
夏ねぇ
「おお、そうだったそうだった」
秋ちゃん
「ごめんなさい」
智美
「だ、大丈夫よ。
ちょっとびっくりしちゃって」
夏ねぇ
「えーっと……誰?」
慶治
「こら春菜。
お客さんじゃないぞ。お母さんだ」
春菜
「え? え?」
秋ちゃん
「ちょっとお父さん。
ちゃんと説明してよね」
慶治
「何回も言ってるだろう?
この人は、お前たちのお母さんになるんだ」
春ちん
「えっと、それってつまり…」
夏ねぇ
「あたしたちの、お母さん…になるってこと…?」
秋ちゃん
「そのまんまだよね、それ」
春菜
「お父さん、結婚…するの?」
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