紫黒の翼

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人間…彼、ガブリエルがもっとも憎む生命体。   神は人間を作った。 そのときから神の左腕として忠誠を誓い続けていたガブリエル。 作り、見守り、時には助ける。 いつの日からだろう… その均衡が崩れ始めたのは…   神は人間を愛した…   愛して   愛して   愛しすぎて天使の力を与えようとした。   ずっと忠誠を誓い続けてきた   なのに…   「貴方が最も憎む人間」   人間が憎くて、憎くて。   そして彼は神が力を与えようとした最初の人間を…       殺した。       自分と同じ、神に使える聖職者を。 そのまま彼は天界から姿を消した…   「君は、…人間にしておくのが勿体無い。 欲望にまみれ、正義を見下す低レベルな種族に君が属してるなんて」   視線は月からはなさずに   「買い被りすぎ…」     この人の傷が癒えることはこの先ないだろう 彼が神を忘れない限り 神が彼をみない限り     「少なくともそこらに飛び回る低位の天使よりかうんと清らかな存在さ」   だから…すべての心が私を見る日はない。   「どうだか…」   でも、彼の悲しみを受け止める事が出きるのは私しかいないから…   「そっけないな…」   そうして二人の影は再び一つになる               願うのは… 彼の心の解放…
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