門番

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橋本恭平とニック・ショアがドアを開けて帰ってくると、見計らったかのようにけたたましいサイレンが鳴り響いた。 「あらー? 今日は徹夜かなー?」 苦笑いをしながら恭平が首をかしげる。 「くっそありえねぇ…さっさと終わらせて俺は寝る」 苛立ちを隠そうともせず、言い切るニック。 それに答えるように、天井のスピーカーから男の声が降ってきた。 『悪いな、二人とも。どうやらもう一件お仕事だ』 謝ってはいるものの、その声音は悪びれた様には聞こえない。 その返事にニックの眉間の皺はより一層深くなっていく。
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