- 〇△一郎誕生 -

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「う…ん、あなたは解離性健忘。世間で言う記憶喪失になっています。 所持金も非常に少ないですし、今の状態のあなたをこのまま外に出すのは、人道的に考えても、病院としても出す訳にはいきません。」 「あ、あの、確かに病院や先生の立場からすれば私を外に出す訳にはいかないと思いますが、自分は入院出来る程お金を持っていませんが…」 俺がそう言うと先生は説明を続けてくれた。 「今回のような場合、【医療保護入院】という形であなたの身体を守る措置が採られます。 現在あなたは記憶が無いので仮という形ですが、あなたが保護された〇△村が保護者になります。 そこで、〇△村に申請して生保(生活保護)を受けられる様に手続きを採ります。 事情が事情ですので、まず、間違いなく生保の申請が受理されます。 治療費や入院費は生保のお金で支払われるので何も心配は要りませんよ。」 なるほど、この国にはそういうシステムがあったのか…初めて知った(◎o◎) 記憶も無い、お金も無い、帰る家も解らない俺にとって本当に有り難い。
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