- 〇△一郎誕生 -

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「初めまして、〇△さん。私、あなたの担当のY崎です。 〇△さんの記憶が戻る様にお手伝いさせて頂きますので、宜しくお願いします。」 女神2人の後ろ姿を見送っていた俺に話し掛けてきた看護師さん。 Y崎さんである。 年齢は40代半ばから50代位と思われる看護師さんで、髪をショートにカットしていて清潔感のある雰囲気と佇まい。 目や表情・態度から〔仕事にも自分にも厳しい人〕という印象を受けたがY崎さんは患者にも厳しい人だった(苦笑) 「では、後はY崎さんが説明してくれます。 〇△さん、今日はゆっくり休んで下さい。」 そう言って先生は去っていった。仕事とはいえ、俺の様な記憶喪失の患者を受け持つのは色々大変だろうなぁと思いつつも、S田先生に警察の人間と同じニオイを感じたのは俺の気のせいだろうか… 「〇△さんは保護入院ですので申し訳ありませんが、所持品の中でこちらが危険と判断した物はこちらで一時的にお預かりさせて頂きます。」 そう言われて一時没収された品々がこちら ・フレグランス(瓶)・カミソリ・鼻毛切りハサミ・MP3プレイヤー ・イヤホン・充電ケーブル・ブレスレット・爪切り・ライター ・フラッシュメモリー・折り畳み傘 何でそんな物まで?と思うような物まで一時預かりであった。 「はい、それでは〇△さんは今夜から入院なんですが、記憶喪失の〇△さんの身体を守るという意味で【保護室】に入って頂きます。こちらへ―」 そう言ってY崎さんが案内してくれた【保護室】 スゴかった…とても忘れられない。 ニュースで拘置所や留置場の部屋を映像で見た事があったが、ほぼソレと変わらない代物だった。 鉄格子の壁に鉄の扉。四畳半位の部屋の中にトイレがあり、薄っぺらい敷き布団に毛布が一枚。 部屋の奥は壁じゃなく更に鉄格子で50㎝位の幅の通路があって窓が見える。 因みに、天井にはご丁寧に監視カメラ(泣)(ToT)
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