- 〇△一郎誕生 -

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『マジで!?何で??意味わかんねぇ』(?_?) と、思っていたのだが勿論理由があったのだ。 何せ俺は記憶喪失。おまけに保護された場所は自殺の名所の傍。 もし、自分が自殺未遂で記憶喪失になっていた場合、 何かのキッカケで記憶が戻った際、現在を悲観して自殺しかねない。 それを防ぐ為の保護室での入院となった訳だが、それにしても凹む…orz 「着替えとか荷物は保護室の前に棚がありますので、こちらに置いておきます。 何か、用事がある時は天井にマイクが付いていますので大きな声を出して頂ければ看護師が対応しますから。」 …カメラだけじゃなくマイクも完備してる訳ね 患者のプライバシーなんてお構いなしなんて、さっすが保護室(-"-;) 「ナースステーションに人がいない時は対応出来ないので、返事が無い時は何度か声を掛けて下さい。」 「はい、分かりました。有難う御座います。」 フムフム、と頷く俺。 「もう消灯時間ですので、そろそろ電気を消します。 今日はお疲れでしょう?ゆっくり休んで下さい。 では、おやすみなさい。」 「おやすみなさい」 そう言ってY崎さんはナースステーションに戻っていった。 数分後、照明が消されたが中の様子を見る為だと思われるスポットライトが点いていて室内はそれほど暗くなかった。 Y崎さんの言う通り、確かに今日は色々あって疲れた。 まだ22時前だが寝られるだろう。 そう思って布団に横になり何気なく壁を見ると… …書いてある 書いてあるのよ!壁に「正」の字がたくさん!!(ToT) この部屋に入った人は俺同様、身の回り品は一時没収だった筈。筆記用具なんて持ってる筈が無い。 それなのに壁には「正」の字がたくさん…… 怖い考えるのが怖い。この「正」の字の意味って… もし、これが保護室に居た日数だとしたら……orz 他にも「決して願っても叶えてくれない神に祈り続ける愚かな人間」 …って何だかなぁ 『俺大丈夫かなぁ?初日っからスゴいもん見ちまったよ(ToT)』 おそらく、俺の人生で最もハードだったと思われる1日は終わり、 長い、長い入院生活のスタートが始まった。
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