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その勢いのまま外に出た獣が見たのは二人の人間だった。
扉を開けた女は驚きつつも腰の短剣を抜く。
獣を警戒しながら守る様に男の前に移動し、男もまたローブの下で身構えた。
獣は睨みながらゆっくりと距離を詰め、短刀を持った女に腕に噛み付くーー瞬間、獣の動きが一瞬止まった。
…痛みでは無い何かが獣の脳によぎる。女はその一瞬のチャンスを逃さず、獣の顎めがけ拳を降り下ろした。
世界が反転した瞬間、獣は頭を強く打つ。
反射的に体を捻り体制を整えると、獣は体の痛みを感じていなかった。
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