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そして現在。西暦2080年。
ナノマシンの研究の成果をあげる目標年数も半ばまで過ぎ、ある程度のデータと成果は得られていた。
ナノマシンが人体にもたらす機能は今のところ大きく別けて三種類ある。
・自然超治癒力
これは、人体の細胞にナノマシンが働きかけ活性化し、病気やケガなどを治癒してしまう能力だ。
・細胞変換力
これは、細胞を別の物質に変え、人体の構造を組み換えてしまう。つまり、腕や脚、体を鉄やダイヤに変えたり、透明になったりできる。
・筋力増強力
読んで字の如く、筋力を増強し、人知を超える力を発揮する。
今までの検体は、いずれもこの三種類の能力のどれかを得られた。
しかし、人体とナノマシンの適合率が60%を超えた場合のみだ。
80%を超えると、その中の二種類の能力をあわせ持つ検体も現れた。
能力の性能は、適合率とその検体によって差があり、同じ能力の持ち主でも、能力に差は生まれた。
例えば治癒の能力だが、同じ箇所に同じ大きさの傷をつけたとき、完全に傷が治癒するのに、適合率60%の検体が6秒かかったとしたら、80%の検体は2秒で治癒する。
といった具合だ。
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