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大川さんが店から出て、由利は浩一と二人になった。
「おい由利、さっきは水ぶっかけて悪かったな。」
「いえ、寝てた自分が悪かったです…」
「そうだな」
「…」
全く浩一は訳が分からない。素直に謝るところを、相手が謝れば逆転する。だから新二は一歩も引き下がろうとしない。由利はいつも頭を下げているので、浩一には都合が良かった。
「由利、カップと皿洗っとけ」
「分かりました。」
浩一はポケットからタバコを取り出して店の奥に行ってしまった。
由利は一人、カウンターに頬杖をついていた。
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