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由利は下の声で目覚めた。
ここにあるはずのない声だった。父親と母親。この二人がここに来てるなんて思いたくもなかった、が二人の声に間違いはない。
(まさか…!?)
由利は部屋を飛び出て階段を掛け降りた。案の定、両親は兄弟二人に怒鳴っていた。
「大体、君達は何様なんだ!勝手にうちの娘を働かせて!早く娘を返しなさい!」
「ちょっと待ってて下さい。」
そう言って浩一が席を立ったと同時に由利は店の中に出た。
「お父さんお母さんのバカ!!何で新二さんや浩一さんに迷惑をかけるの!?私が望んだことよ全部!!あんたたちなんかの家に帰るわけないじゃん!!いっつも家に居ないし、話もしないし、相談にも乗ってくれないし!!何が返して欲しいよ!?私を物扱いしないで!!」
溜まっていた感情が全部出てきた。同時に涙がこぼれた。
「何で私を見てくれないの!?学校で苛められて、それでも誰にも言えなくて…!!やっと見つけた、居場所も、奪おうとするのよ!?私はここに居たいの!!新二さんが好きなの!!学校なんかに行きたくないの!!」
その場に居た全員が静かになった。
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