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「もうお父さんお母さんなんて大嫌い!!私の前から消えて!!絶縁してよ!!」
由利は泣き崩れた。店の中に泣き声が響く。
「ご両親の気持ちはよくわかります、ですが本人が何故家出して、何故ここに居るのか分かりますか?」
「由利はわがままなだけですから…」
「彼女はわがままなんじゃない。本気で悩んで、それで俺らの事を頼りにしているんです。俺らはそれを迷惑なんか思ってないですし、居たいならいくらでも居ていいんです。ここはそういう場所だから…。だから、彼女の居場所を守りたいです。面倒見られないなら俺らに任せてもらえませんか?」
「君達は何故そこまで娘を…?」
「彼女が好きだからです。彼女を幸せにしたいからです。無理なお願いかもしれないけど、娘さんをください!」
新二ははっきりと言った。どうなったっていい、由利と一緒に居れるならば。
その場にいた皆が新二の言葉に驚いた。泣き崩れていた由利さえ、新二を見つめていた。そして、由利の父親が言った。
「娘をお願いします。あなた方を信用します佐藤浩一さん、新二さん。」
由利の父親は兄弟二人に頭を下げた。
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