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あれから1週間があっという間に過ぎた。
仕事が休みの日には両親が来てくれた。由利は兄弟二人とタメ口で話すようになり、関係も親密になっていった。
「由利手際良くなったな。前まであんな緊張してたのに」
「私だって成長するよ。」
「まぁ、精神年齢は下がってるかもしれねぇけどな。」
浩一が由利をからかった。この日は、日曜日で客の入りが良く、二人だけでは忙しかったので三人でやった。
「忙しいなぁー…。ちょっと買い出し行ってこいよ、二人で。」
「あぁ…、分かったよ…。」
「なんでそんなに嫌そうなのよ~」
「重いから…」
由利の目が点になった。
(重イカラ?そんなに重いの?)
「とにかく、俺は店番してやるからな!」
「客が減るとき狙いやがって…」
新二は浩一のズル賢さに愚痴を溢した。しかしながら、浩一はそれを無視している。仕方無さそうに新二は由利を買い出しに誘い、二人は店を出ていった。
外はもう夕暮れ時で、真っ赤な夕日が公園を赤く染めていた。
「キレイ!」
「あぁ、お前もな。」
「え、ちょっと何そのセリフ!?」
「な、何でもない…」
端から見たらただのバカップルだった。
「お前さ、昨日風呂の湯抜いただろ?」
「あぁ、ごめんね。最後だと思ってた。」
「俺の一日の中の楽しみ奪いやがって…」
「そんなイジケないでよー。」
こんな会話をしながらスーパーへ向かった。
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