仲間

4/7
前へ
/29ページ
次へ
それから長い間二人によるリンチが続いた。西条は相変わらず笑っている。 「ムカつくんだよ!先コウにチクってんじゃねぇよコラ!」 「なんとか言えや、このメス豚がぁ!!」 由利は必死に足掻こうとするが、二人の前には無力だった。霧島と神崎は傷が残らないように由利をなぶり続けた。もう息が荒くなり、体はグッタリとしている。神崎が由利の髪の毛を掴み、無理矢理顔を近づけさせた。 「お前が生きてるのは罪なんだよ!!だから生きてる間罰を受け続けなきゃいけねぇんだよ!!この男タラシが!!」 「まだ足りないみたいよ由衣。この娘どMだから。」 と言ってカッターナイフを取り出す。由利は激しく首を振って嫌がるが、二人は笑顔になっていくのみだった。 「おい、由利!!」 新二の声だった。助けに来てくれた。 霧島は慌ててカッターナイフをポケットにしまう。 「アンタ由利の彼氏?この娘止めた方がいいよ。淫乱だし男タラシだし。」 「由利はそんなんじゃねぇよ!失せろ!」 初めて新二が本気で怒っているところを見た。いつも冷静で、周りに関心がなくて、たまに変な事を言う新二が、怒っている。 「何アンタ?まぁ、いいわ。こんなののどこがいいのか知らないけど、後悔しないようにね。」 と言って西条含めた三人は立ち去った。
/29ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加