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それから長い間二人によるリンチが続いた。西条は相変わらず笑っている。
「ムカつくんだよ!先コウにチクってんじゃねぇよコラ!」
「なんとか言えや、このメス豚がぁ!!」
由利は必死に足掻こうとするが、二人の前には無力だった。霧島と神崎は傷が残らないように由利をなぶり続けた。もう息が荒くなり、体はグッタリとしている。神崎が由利の髪の毛を掴み、無理矢理顔を近づけさせた。
「お前が生きてるのは罪なんだよ!!だから生きてる間罰を受け続けなきゃいけねぇんだよ!!この男タラシが!!」
「まだ足りないみたいよ由衣。この娘どMだから。」
と言ってカッターナイフを取り出す。由利は激しく首を振って嫌がるが、二人は笑顔になっていくのみだった。
「おい、由利!!」
新二の声だった。助けに来てくれた。
霧島は慌ててカッターナイフをポケットにしまう。
「アンタ由利の彼氏?この娘止めた方がいいよ。淫乱だし男タラシだし。」
「由利はそんなんじゃねぇよ!失せろ!」
初めて新二が本気で怒っているところを見た。いつも冷静で、周りに関心がなくて、たまに変な事を言う新二が、怒っている。
「何アンタ?まぁ、いいわ。こんなののどこがいいのか知らないけど、後悔しないようにね。」
と言って西条含めた三人は立ち去った。
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