仲間

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新二は買い物袋を地面に置き、公園のベンチの上に由利を横にする。今はもう落ち着き、泣き止んでいた。 「新二、ごめんなさい…」 「由利は謝らなくていいんだ。俺の気がもっと利いていれば…、由利を一人になんかしなかったんだ…!」 新二は自分自身を責めていた。全て自分のせいではないか、どうして由利の事をもっと真剣に考えてやれなかったのだろうか…。 「新二、全部私が悪いの。」 「そんな、由利は悪く…」 「私が学校で皆と仲良くなれなかったから、男子からの告白を拒否したから…。だから、全部私の罪なの。」 「由利…」 「ホントにごめんね。心配かけちゃって」 そう言いながら由利は起き上がる。まだ体中が痛いが、コンクリートの上に体重を乗せる。 「ほら、早く帰らないと浩一さん怒っちゃうよ。」 「ああ…」 重い息を吐く新二の目には由利が無理しているようにしか見えなかった。それでいて由利の助けにもなれない自分が情けない…。 「!」 新二は由利を抱きしめた。彼にはこんなことしか出来なかった。ただただ、壊れそうな彼女を抱きしめた。 腕の中で由利は泣いた。誰かの恨みを買い、一方的な暴力を受けた少女は、寄りかかっている彼の後ろの滲んだ光景を見ていた。止めどなく涙は流れる。彼の抱きしめる力は少し強くなる。 「由利、俺に出来ることは無いか…?俺はお前のためならなんだってしてやる。」 「…新二、…ありがと」 次第に陽は落ち始め、太陽は二人を紅く染めていった。
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