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店までの帰り道、由利は新二に過去を話した。
学校では馴染めなかった。話しが合うか以前に、彼女はクラスの女子から除け者されていた。友達はもういない、あの日から…
由利には親友がいた。ずっと幼なじみだったAとはいつも一緒だった。Aには好きな人がいて、いつもその話をしていた。由利もそれを聞いて楽しんでいた。
彼女の周りにはたくさんの友達がいる、だが彼女はいつも由利と行動を共にした。由利はあまり友達が出来なかったので、彼女こそが唯一無二の親友であった。
彼女の代わりに由利が告白された。もちろん由利は断った。友のためである。告白した彼は振られた理由をAだと理解した。しかし、事実からは程遠い解釈にたどり着いてしまったのである。
彼はAに「邪魔だ」と言った。由利が拒否したのは全て彼女のせいだと思い込んで…
Aは泣いた。由利を憎み、自身をこの境遇に仕立て上げたと思い込んだ。彼に邪魔者扱いされた彼女は由利を邪魔者扱いした。
由利には弁明の余地もなく、されるがままであった。教科書は全て表紙に陰湿な言葉、ロッカーにはゴミが詰められた。下駄箱にはゴキブリの死体や画ビョウが入っていたこともあった。
Aはこの学校を転校した。彼女は由利に置き土産を残していった。主犯がいなくなってもイジメは終わることがなかった。由利は居場所がなくなった…
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