兄弟

3/11
前へ
/29ページ
次へ
「…」 新二は口を開けたままだ。 由利も混乱していて、オドオドしていた。 「だから!働けってんだよ!俺の睡眠時間を作れ!」 「…あぁ、…それならいいかもね、うん、そうしよう!部屋空いてるし、ここで暮らしなよ!」 「は、はい…。え…、っていいんですか!?」 「俺らより働けよ!」 新二の兄貴らしき人はぶっきらぼうに言い放った。 「てかお前の名前はなんだよ!」 何事にも不良のような口調をする男に由利は答えた。 「市橋由利…です…」 「由利か…、俺は佐藤浩一だ。こいつの兄貴だ。よろしくな」 先程までのキレた顔から突然、笑顔で言ってきた。よくわからないが悪い人ではないようだ。 「まぁ、こんなところで話してても仕方ねぇ。下で朝飯食いながら話そう。」という浩一の言葉で由利を含めた三人は階段を降りた。 下は昨日の喫茶店だった。朝日が入り口の方から射していた 「おい由利、何か作れ。」 「兄貴っ、由利は奴隷じゃないって…。でも、由利の手料理は食べてみたいな。」 「あの…着替えていいですか?」 「二階の部屋のタンスにウェイトレス用の服があるから」 「分かりました。」 と言って再び二階に上がった 着替え後一階に降りた由利は冷蔵庫を開け、中身を確認した。そして十数分で料理を作り上げた。 由利の十八番のスクランブルエッグ、トースト、ベーコンにレタスを盛り付け、コーヒーを沸かした。 「すげーな由利。」 「今日からお前朝飯作れ。」 「はい、ありがとうございます。」 三人はいろいろな話をしながら朝食を食べた。。
/29ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加