0人が本棚に入れています
本棚に追加
「そんで俺が起きてきたらコイツカウンターで寝てたんだよ。」
「一度寝るなと釘をさしたんだが」
「すいません…。」
「まぁ過ぎたことは仕方がない。」
「つーか、お前その格好似合うな!」
「兄貴、話しずらすなって…」
「あ、ありがとうございます…。」
こんな調子で一時間ほど過ぎた。室内の時計は8時だ。本来なら学校に行く時間だが、今の由利には頭になかった。
「開店9時からな。新二、由利の指導頼むわ。」
「今の時間帯、兄貴の営業じゃね。」
「いいだろ別に、二時間後変わるから。」
「分かったよ…」
その会話に由利は入れそうになかった。浩一は頭をかきながら二階に上がって行った。その一方で新二はため息をついた。
「ん、まぁ、俺のアシスト頼むわ。」
「あ、はい。」
「挨拶出来るか?」
「…」
「簡単に、いらっしゃいませ、と、有難うございました、でいいから。まず客が入ったら席まで案内して、注文を聞く。それで俺に注文を伝えてくれ。まぁ、あんま客は来ないけどな。あと、買い出しはお前に任せるぞ。」
「分かりました。」
「口で言っても仕方がないから。9時まで準備するぞ。」
それからまた一時間ほど、新二と二人で店内の掃除をした。
テーブルを拭いているとき、新二は台所を掃除していた。
「新二さんは料理を作るの?」
「あぁ、今まで飯は俺が作ってたから。」
「今度食べさせてください」
「んじゃあ昼作るから」
「いいんですか!?」
「、あんま大声を出すなって…。兄貴キレるから…」
「あ、すいません…。」
「そろそろ開店だな。」
時計を見ると9時になっている。二人は掃除を止め、外に看板を出しに行った。
最初のコメントを投稿しよう!