兄弟

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「そんで俺が起きてきたらコイツカウンターで寝てたんだよ。」 「一度寝るなと釘をさしたんだが」 「すいません…。」 「まぁ過ぎたことは仕方がない。」 「つーか、お前その格好似合うな!」 「兄貴、話しずらすなって…」 「あ、ありがとうございます…。」 こんな調子で一時間ほど過ぎた。室内の時計は8時だ。本来なら学校に行く時間だが、今の由利には頭になかった。 「開店9時からな。新二、由利の指導頼むわ。」 「今の時間帯、兄貴の営業じゃね。」 「いいだろ別に、二時間後変わるから。」 「分かったよ…」 その会話に由利は入れそうになかった。浩一は頭をかきながら二階に上がって行った。その一方で新二はため息をついた。 「ん、まぁ、俺のアシスト頼むわ。」 「あ、はい。」 「挨拶出来るか?」 「…」 「簡単に、いらっしゃいませ、と、有難うございました、でいいから。まず客が入ったら席まで案内して、注文を聞く。それで俺に注文を伝えてくれ。まぁ、あんま客は来ないけどな。あと、買い出しはお前に任せるぞ。」 「分かりました。」 「口で言っても仕方がないから。9時まで準備するぞ。」 それからまた一時間ほど、新二と二人で店内の掃除をした。 テーブルを拭いているとき、新二は台所を掃除していた。 「新二さんは料理を作るの?」 「あぁ、今まで飯は俺が作ってたから。」 「今度食べさせてください」 「んじゃあ昼作るから」 「いいんですか!?」 「、あんま大声を出すなって…。兄貴キレるから…」 「あ、すいません…。」 「そろそろ開店だな。」 時計を見ると9時になっている。二人は掃除を止め、外に看板を出しに行った。
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