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授業が終わり、今日は点検の為に部活は休み。
「七瀬」
「はい?」
「神流月の家と近かったよな?」
「あ、はい」
「じゃあ、プリント届けてくれないか?」
「えっ!」
「そのプリント、明日までに提出だから」
「分かりました」
プリントと言っても宿題ではなく、アンケート用紙みたいなものだ。
沙織はプリントを鞄に入れた。
「お見舞いに行くの?」
「うん。プリント届けなくちゃいけないし…」
「私も行く~!」
「へっ?」
「い、行くの?ι」
「だって、神流月の家ってお金持ちなんでしょ?」
「そうなの?」
「あ、うん。
何で知ってるの?」
「噂だよ、噂!
結構有名だよ?
家が見てみたい!」
「…驚くと思うよ?」
「そんなに凄いの?
私も行こうかな」
「行こう、行こう♪」
「まぁ、いいけど…」
二人も一緒に行くことになり、沙織は由香の様子に苦笑いを浮かべた。
「俺も行きたい!」
「…何で?」
「神流月の追っかけだからじゃん?」
「追っかけなの?」
「ちげぇよ!」
「だって、いつも神流月にひっついてるじゃん」
「別にいいじゃん!」
ボーイッシュな由香とは明るい性格な男子は気が合うようだ。
「…竜が嫌がる気がするんだけどι」
「‥‥確かに」
「気にすんなって!」
「あんたがそれを言うか。いつも神流月に迷惑かけてるくせに…ι」
「あははっ!」
結局、一緒に行くことになって沙織達は小さなため息をついた。
(竜、ごめんι)
沙織は口に出さずに竜弥に謝罪。
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