お見舞い

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この男子は明るくてクラスの人気者ではあるが、恋愛対象とは見られないお調子者である。 「ほら、行くよ」 「おうっ!」 教室を出て沙織達は神流月家に向かった。 「なぁ、竜ちゃんってハーフなんだよな?」 「…竜ちゃんι」 「それ、本人に言ったことある?」 「あぁ、睨まれて本投げられた! 酷くねぇ?」 「そんな呼び方するからでしょ」 「ちぇ~ι」 「それより、ハーフってそうなの?」 「うん。お父さんが中国人だから」 「「へぇ~」」 「そうなんだ」 「じゃあ、母親は?」 「お母さんは日本人だよ。でも、いきなり何で?」 「先輩に聞いた」 「そうなんだ」 「やっぱ、両親も美形だったりする?」 「うん。お父さんはかっこよくて若いし、お母さんは綺麗でスタイルいいよ。 でも、竜弥の家族はみんな美形だよ」 「羨ましい」 「見てみたいかも」 竜弥の噂や家族のことを話ながら歩いていた。 「へぇ。妹いるんだ」 「可愛いよ。 ただ‥‥」 「ただ?」 「…ブラコンなのι」 「あれだけカッコイイんだから…」 「度が過ぎてるの。 女子からの電話は切るし、ラブレターは破るし。 自分以外の女の子は寄せ付けないようにしてるの」 「あ、はは…ι」 「そりゃ、大変…」 「‥‥彼女出来んな」 「神流月、興味なさそうじゃん。妹の影響?」 「う~ん… 竜は昔からだと思う。 自分がモテるのも自覚ないくらいだから」 「‥‥あんなにモテモテなのにι」 「嘘でしょ!?」 「…マジかよ」 「本当だよ。 まぁ、興味がないから気づかないのかも」 沙織が立ち止まり、3人も歩みを止める。
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