『緑色の液体』

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「ということは、お前は今、左手で携帯を持っているということだな?」 「いや、右手だよ」 え? 「ということは、緑色の液体だらけの手で携帯を触り、携帯までも緑色の液体でべちゃべちゃってことだな?」 「そうだよ。あー、ヤバいわ。緑色の液体で携帯が溶けてきた。もうお前と連絡が取れなくなるかもしれない」 こいつ、さっそく自分の言った冗談に飽きて電話を切ろうとしてやがるな。全くもってタチが悪い。 そうはさせるか。 俺はやつの矛盾を追及した。 「でも、携帯溶かすくらいの緑色の液体なら、まず携帯が溶ける前にお前の右手が溶けるだろ」 一瞬の沈黙。卓也が困っている様子が見えるようだ。 俺は眠気も忘れてほくそ笑んだ。 しかし、やつはすぐに立ち上がった。 「どうやら俺の緑色の液体は金属のみを溶かすらしい。ああ、ヤバい…電波が…」 「溶かすなマジック!」 今にも電話を切ろうとした卓也に焦った俺の渾身の叫びだった。
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