十日草の花ひらく

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「なに、してるんですか?」 「ん、ああ、神田か」俺は後輩の名前を呼んだ。 紹介しよう。神田哲郎、23歳、刑事歴二年の俺の後輩だ。 「薬師寺さん、早く事件現場に行きましょうよ!」 「ああ、行こうか」 手元の資料をかばんにいれると、俺は席を立った。すぐ後を神田がついてくる。 「で、どうなんですか薬師寺さん的には?」「何が?」 「だから今回の事件についてですよ。本当に心中なんですか?」 「さあ、まだわからないな」 「そこを薬師寺さんの勘でなんとかならないんですか?」 「あのなぁ、事件は証拠で解決に導くんだよ。俺の推理も勘もそれの糸口をさがす手段なんだよ。わすれるな」「わかりました。」 怒られたと思いしょんぼりする後輩を見てクスリと笑った。
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