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笑い声は谷全体から響き渡り、その旅人の周りに谷に吹く風とは別種の生暖かい風が渦巻く
「キャハハハハハ!!!」
声は目の前から聞こえる……何も見えてはいないが旅人は身構えた
マントの止め金を外し、翻した時にフードから覗いた顔は男
下は黒いマスクで隠し、黒縁の眼鏡から覗く瞳は漆黒
「キャハハハハハ!!」
「うるさいですね……」
男はマントの内側から何の飾り気もないナイフを抜くと肉眼では捉えきれないスピードでナイフを投てき
全く見えない声の主……だが男はしっかりと“眼鏡の向こうに見えるそいつ”に向かって飛んでいった
ザクッ!
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