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小型の肉食獣では最もポピュラーな種類だ。黄色いクチバシにびっしりと並んだ歯、食い付かれたらただではすまない。ランポスの意識は眼前のジャンに集中している。
ジャンはゆっくりと呼吸を
一回
二回
「…やるしかない」
ジャンはゆっくり立ち上がり腰の金槌を抜いた。瞬間、ランポスが飛びかかってきた。
ギリギリで右によけたジャンは急いで体勢を立て直す。ランポスはこちらを捉えると再度飛びかかってきた。
鋭い歯が眼前一メートルまで迫る。ジャンは大きく体を振り、そのまま左の金槌をランポスの横顔に叩き付けた。
激しい痛みにのたうつランポス。ジャンは続け様にランポスの頭上に右の金槌を振り下ろす。
「ギャアァァァ……」
弱々しい叫び声をあげて、ランポスはぐったりして倒れ込んだ。
「はぁ…はぁ…」
ジャンもその場に座りこんだ。
日はすっかり落ちていた。ジャンは立ち上がって金槌をしまった。そしてランポスの死体に歩み寄る。
「…今夜は、豪華になりそうだ」
ジャンは腰のナイフを引き抜いてランポスを解体し始めた。
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