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粉砕されていた噴水前に、氷の鉄壁の制服に身を包んだ人が五、六人ほど立っている。
その中でも目立っているのが、先頭に居る金髪の男性だ。
帝と要が近付くと、その金髪の男性は弾丸の様に飛び出し、帝の前で敬礼をした。
「そおおおすいっ!!」
「こんにちは、叢本。わざわざ来なくても良かったのに」
むしろ来ないでほしかった。
だが、叢本は物凄い早さで首を振り、帝を見つめる。
「いいえ!! 総帥が出向いていらっしゃるのですから、我々も現地に赴かなければと思いまして」
「仕事熱心なのは良い事ですよ。
では、事後処理は宜しくお願いします」
口早にそう言って立ち去ろうとするが、叢本が「御待ち下さい、総帥!!」と言って、前に回り込んでくる。
「な、なんでしょう?」
「総帥にメールを間違えて送信した馬鹿に変わって、この叢本――――腹を」
「さあ要、行きましょうか」
刀を取り出して腹に向けている叢本を視界から消し、帝は要を促す。
「今日は学園に来ますか? いつも通り保健室に居ても構いませんが」
「……うん、行ってみる……」
だが、要はどこか不安そうだ。
帝の白衣を握り締め、俯いている。
「……まだ、友達は出来ませんか?」
「……話しかけてくれる子は居るけど、どう接したらいいか分かんない……」
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