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「おや、メルマガが届きましたね」
「あら、ニュースのですか?」
青羅が訊ねると、帝は軽く頷く。
「この学園の近くの街の子供が、暴れているそうですよ。
親を傷付けるなんて、なんという事でしょうね」
「本当ですね……」
青羅の目が鋭くなり、時計に目をやる。
帝も時計と市野の居るベッドを交互に見つめると、不意に立ち上がった。
「ああ、いけない。消毒が切れている。
ちょっと街に行って買ってきますね」
「いってらっしゃい」
青羅は笑顔で手を振るが、帝の表情は厳しい。
まとう空気も、どこかピリピリしていた。
「すぐに帰ります。それまで宜しく」
片手を軽く挙げた時、そこに帝の姿はなかった。
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