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学園から少し離れた場所には、いくつも街がある。
全寮制のクリスティア高等学園の生徒達は、週末街に行ける事が何よりも楽しみなのだ。
いつもは人々が笑い合い、賑やかな催しが開かれている街だが、今日は悲鳴と血臭に満ちていた。
路地裏に展開した魔法陣から飛び出した帝は、そっと様子を伺う。
「これは……酷いですね」
地面には血だまりが出来、その中には人が倒れ込んでいる。
街の象徴である噴水は粉々に破壊され、滲み出た水と血が混ざり合い、微妙な色を作り上げていた。
「おいたが過ぎる子供は何処でしょうね?」
周囲を見回していると、街の奥から獣の咆哮に似たものが聞こえた。
帝は鋭くそちらを向くと、白衣の中から、銀色の仮面を取りだした。
「そっちですか」
仮面をつけ、銀髪を高い位置で結うと、両手を突き出す。
そこに光が収縮し、一振りの剣へと形を成した。
「他の班はいったい何をしているのやら……。
早く人を逃がさないと危ないのに」
そう呟きながら帝は跳躍し、屋根の上に着地すると、一目散に駆けだした。向かうは咆哮の聞こえた方だ。
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