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そのお婆さんは、黒い布を被っていてあまり顔が見えない。
「…こんな所に時計屋があったんですね?」
「………」
だが、お婆さんは何も言わないでいる。
私は、戸惑い近くにあった深いブルーの色の時計をとった。
「あのー…これキレーですね!!なんか…海みたい…」
「お嬢ちゃん…それ…大昔の海賊船の中で見つかったんだよ…まぁ…信じられない話しだけどね…」
だけど、がらがら声のせいが本当に聞こえてしまう。
そして、私は時計を見詰めた。
その時計は、少し錆び付いているが回りに付いている石がとても綺麗でなんだか、吸い寄せられる。
「お嬢ちゃん…それ…波の音が聞こえるんだよ…」
「そんなはず…」
半信半疑で私は、時計を耳に付けた。
その時…時計から小さな波の音が聞こえた。
「え!?な、なにこれ?」
私は、驚きながらもまた耳に近付けた。
ザザーン…ザザーン…
(やっぱり…聞こえる…)
「…どうだい?」
お婆さんは、ニヤリと笑った。
「ど、どうだいって…行ってみたくなりました…なんて…あはは」
私、苦笑いしながら答えた。
(どうだいって言われても…)
「そぉかい…じゃあ…行ってみるかい?」
(行ってみるかいって…)
意味が分からない私は首を傾げた。
そうすると…お婆さんは近寄って来て私の手から時計を取った。
そして…
無言で私の手首に時計を付けた。
「へ?え?」
動揺する私に向かってお婆さんは手を合わせてお経みたいな何かをブツブツと呟き始めた。
「%#*&#%£…フゥ…」
お婆さんがお経みたいなのを終らし息を吐いた途端に私が立っている床が光始めた。
そして、例の時計も…。
私は、本当に意味が分からなくなりパニック状態になった。
「い、いや!な、なに!?お婆さん助けて!!」
私が必死に助けを求めているのに、お婆さんはただ見つめている。
そして、私は光に包まれた。
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