背中の傷/誕生、再び

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 ハジは飛び起きた。あまりに生々しい夢。彼が突然覚醒したので、目の前にいたモンはひっくり返った。 「びっくりさせないでよ。あなた、熱が酷くてなかなか目を覚まさなかったから心配したのよ。背中を切られてても寝たままだったから、死んじゃったかと思った。良かった」 彼女は彼の額を冷たく湿した布で拭いた。ハジはどっと痛みが戻ってきて低く唸る。熱く火照る、焼けるような痛み。 「何の夢を見てたの。あなた、ずっと泣いてた」 「リューが出てきたんだ。精霊の姿をしていて、身体が半分鹿で、すごく不思議で。少し心が楽になった気がする。けりがついたよ。自分自身と」 モンはわけが分からなかったが、彼の穏やかな顔を見てほっとする。リューの死は悲しすぎることだった。それをハジが深く気に病んでいることも知っていた。 「リューが言ってた。精霊としての役目を終えたら生まれ変わって帰ってくるんだって。本当かな」 ハジはモンに水を飲ませてもらい、深く息を吐いた。 「そうだよ。死んでも必ず帰ってくるの。雨が降るでしょう。水は川になって、河になって、海になって、空に帰るでしょう。また雨が降るじゃない。それと同じよ」
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