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ある日、雪が降った
僕は冬が好きだ
寒いのが好きだ
雪が大好きだ
目の前に降る、この小さな小さな白い結晶は、
なんて美しいんだろう
そして後ろをふと見ると
そこにはまた雪がある
僕に踏まれた汚れた雪が
みんなに踏まれた汚れた雪が
そしてそれを覆う新たな雪が
てのひらを上にすると、一粒の雪が落ちる
冷たい
とけた
僕は少しだけ笑う
この冷たさも、汚い所を隠してくれる優しさも
そしてその汚れと一緒にとけるはかなさも愚かしさも
僕に誰かさんを思い出させて
僕はまたてのひらを開く
カケラをとかす為に
そして、
君が寒くないように
僕はゆっくりと手を握った
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