プロローグ

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賑やかな街から離れ、木々が鬱蒼と生い茂った薄暗い森の中。 あと数分もすれば、東の山の麓から日の光が顔を覗かせるのか、木々の切れ間から見える空は徐々に白み始めている。 そんな森の中を一人の男が、流れるような軽い足取りで走り抜けていく。 男の背中には鞘に収められた長剣。 森の薄暗さで顔は分からないが、風を受けてなびくローブを身に纏っている。 男は木々のないひらけた所まで来ると足を止める。 彼の目の前には三人の男が座って輪をつくっていた。 男達は山賊のような格好で、ローブの男に気がつくと自分の剣を片手に立ち上がる。 山賊の男達のリーダーなのか、髭を生やした男が口を開く 「アンタ、何者だ?」 「三人……ハズレか」 ローブの男は呟くと背中の長剣を抜く。 「燃え上がれ、フィアンマ・ブレイド」 長剣の刃を赤い焔が包み込む。
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