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ローブの男は長剣を山賊に向けると、
「お前達の征伐の依頼を受けて来た者だ。大人しく投降しろ」
それを聞いた髭男は笑うと、他の二人に顎で合図する。
二人の男は待ってましたとばかりに飛び出し、ローブの男に剣を斬りかかる。
「投降はしないんだな?」
「当たり前だ」
一人目の男が剣を縦に振るう。
ローブの男は長剣で軽くいなし、男を蹴り飛ばす。
「野郎っ」
二人目の男が深く踏み込んで、鋭い突きを放つ。
「甘い」
ローブの男は紙一重で避けて男の背後に回り込み、長剣の柄で男の後頭部を叩く。
男は意識を失い、頭から倒れ込む。
髭男は呆気なくやられた二人に舌打ちする。
「役にたた――」
髭男の言葉はそこで途切れる。
何故なら、目の前に赤い焔の軌跡が真っ直ぐ向かってきていたからだ。
髭男は咄嗟に剣を突き出すが、高い金属音と共に剣が手から弾き飛ばされる。
そして、気づいた時には髭男の首元に焔に包まれた刃が突きつけられていた。
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